検査・測定・分析
私たちが行う検査は新型コロナウィルスや結核菌を検出することではありません。
作業の効率、正確さ、作業者の安全を確保するために行います。
施工前後の最重要作業 科学的根拠「見える化」
作業前検査 気流検査
1,検査器により空気の流れを把握致します。 ⇒ 気流検査 PDF
空気の流れを目視化することで汚れの貯まる所を確認することができました。
この風速計は微風を検知するものでは有りません。
送風機の風量を測るために用意致しました。
工場内の換気扇、集塵装置の風量確認などで使います。
気体(酸素・ガス)検知
2,検知管による気体の測定を行い酸素量、二酸化炭素量他、有毒ガスの有無、濃度を測定致します。
⇒ ガス検知測定 PDF
新型コロナ(Covid-19)の発生から事務所などの二酸化炭素測定を依頼されるお客様が増えてきました。
清浄度の確認
3,雑菌成分、微生物の痕跡を検査致します。
⇒ 酵素サイクリング法 PDF
清浄度を数値化することで格段に効率よく消毒できるようになりました。
細菌数の確認
4,消毒の前後で菌数測定を行い消毒剤の効果を確認します。
⇒ 細菌培養 PDF
乾式簡易培地による細菌数を確認
(食品衛生検査指針2004収載・AOAC認証・MicroVal認証)
採取後に48時間培養(培養器)を行います。
pH検査/有効塩素濃度検査
5,酸、塩基判定、pH検査、塩素濃度測定を行います。使用する薬剤の安全性と効果の確認が目的です。
⇒ 試験紙・pH・塩素濃度検査 PDF
ppm = parts per million 100万分の1
10% = 10万ppm・1% = 1万ppm・0.1% = 1000ppm
0.01% = 100ppm・0.001% = 10ppm・0.0001% = 1ppm
ppb = parts per billion 10億分の1
ppt = parts per trillion 1兆分の1
試験紙は個人差で色の感じ方が違います。今では数値で確認できるpH計測器を使っています。
補 足
弊社で行う細菌培養は、個体、地域社会に危険性のないものに限られています(一般生菌・大腸菌群検査など)
現場の測定材料を特殊綿棒で取り、拭き取り液で希釈。
それを簡易培地に摂取します。
培養器で24時間から48時間程度の培養となります。
酵素サイクリング法による清浄度の検査とこの培養検査で洗浄・消毒の前後の効果を確認致します。
弊社の技術・強み・知見
column 感染症法
この度のSARS-Cov-2などのコロナ、エボラ、天然痘のような強毒性ウィルス、強毒性細菌は設備が整い許可を受けた特別な機関でしか取り扱いが出来ません。事故やバイオテロを防ぐためです。ノロウィルスはノロウィルス代替品であるネコカリシウイルスで研究されています。
新型コロナウィルスSARS-Cov-2は感染症法の指定感染症に認定されました。 暫定的にSARS,MERSと同じ二類感染症に認定されましたので公的機関が行う行政検査となり、それ以外では扱えません。
5種類の検査 料金 こちらを御覧下さい
バイオセーフティーレベル
BSL(バイオセーフティーレベル)の分類
BSL-1 | ワクチンや動物に無害な病原体 | 通常の実験室 |
---|---|---|
BSL-2 | はしかウィルス、季節性インフルエンザウィルス 食中毒菌など | 特別な実験室。 実験中は入室禁止。 |
BSL-3 | MERS、狂犬病ウィルス、結核菌 鳥インフルエンザウィルス | 前室を設ける。 高性能フィルターを通して排気。 実験室は外部より気圧を低くする。 |
BSL-4 | エボラウィルス、ラッサウィルス 天然痘ウィルスなど | 前室は3つ設ける。 フィルターは2枚重ねにして排気。 |
弊社の技術・強み・知見
column 現場ということ
in vitroという言葉があります。ラテン語で「試験管内の」「決められた条件下で」という意味です。もちろん、実験段階では必要なことですし、そのデータも間違ってはいません。しかし、日常の生活を再現して実験しているわけではないのでかけ離れた数値になることもあります。業者として現場で判断する場合はプラス経験です。
細菌: 1~5μm マイクロメートルという増殖する生物と、ウィルス: 20~300nm ナノメートルという自ら動かず自ら増殖しない無生物。
1590年頃、オランダのヤンセン父子が顕微鏡の原型を作ったことは知られています。
「微生物学の父」オランダのレーウェンフック(1632-1723)は自作顕微鏡で微生物、細菌を発見しました。
仏のルイ・パスツール(1822-1895)は光学顕微鏡を使い今までの定説を覆し細菌学の基礎を確立しました。
独のロベルト・コッホはシャーレ、寒天培地を使い細菌培養の方法を確立。炭疽菌、コレラ菌、結核菌を発見。
この微生物の存在が明らかになる前に日本では、日本酒を腐らせない方法を経験的に知っていました。
司馬遼太郎によると幕末の公家は貧しくまともなお酒を飲んだことがなかったそうです。武家に勧められた酒を飲み「これが酒か」と驚いたそうです。それまでは腐りはじめた酸っぱい酒を飲んでいたようです。
江戸時代には酒の腐敗を防ぐために出荷前に「火入れ」を行い加熱殺菌をしていました。また、酸っぱくなってしまった酒には灰を入れて元に戻すこともされていました。
経験的に理に適った防腐処置がなされていました。これは微生物の不活化、制御といえます。
日本に限らず世界中にこのような人類の経験上の知恵があります。
弊社の技術・強み・知見
column 確認すべきこと - 感染症の現場の場合
私たちは、お客様から感染症現場の消毒依頼を受けて初めの電話と現地での確認の時にお伺いすることは以下になります。 感染成立の三因子です。感染源
細菌・ウィルス・真菌は、土壌、水、ヒト、動物、のいずれからのものか。感染経路
病原体と宿主が何らかの接触により感染するまでの経路の把握。
水平感染:接触・飛沫・空気・媒介動物・環境汚染による経路を考えます。
垂直感染:母子感染のような場合、感染症を他に引き起こす事は無いと思いますので弊社の仕事上は考慮せず。宿主
潜伏期保菌者、不顕性保菌者、回復期保菌者のような臨床症状の有無を問わず排菌者であった可能性について。(特に老人福祉施設のような集団生活の場は要注意!)医師からの情報
何が原因か拡大の懸念はあるのか、医師の判断が何よりも重要です。
感染症の場合、医師から病名といつ頃感染したかのか今はどのような状態で治療はどうするか、家族には何かすべきことは有るのかなど詳細に説明があると思います。話していただける範囲でお願い致しております。
自然と会話の中で分かりやすい言葉で確認させていただきますのでご心配なさらないで下さい。
感染症の現場はただ消毒剤を撒けばよいというものでは有りませんのでこのようなことをお伺いして清掃、洗浄、消毒剤の選定、消毒方法を決定する材料にさせて頂いております。