水 害 - 異常気象
日本だけでなく世界中が毎年、異常気象の影響を受けるようになりました。
天候不順
暖冬と猛暑
北海道もおかしな天気になっております。降雪量が例年の半分の冬(2018~2019)、暖冬故の雪解けの異常な早さ。暖冬かと思えば最強寒波の到来(2019年2月)
雪国ですので冬の降雪がある分、本来、北海道の夏は雨が多くありません。そのような気候風土ですから本州とは治水対策の内容、歴史が違います。そこに今までにない雨量が短時間に降るようになってきているのです。さらに夏は北海道らしからぬ猛暑も加わるようになりました。
直近の災害
洪水想定外の雨量で河川の氾濫(2016年 空知川、2018年 石狩川、雨竜川)、まさかの連続して3つの台風上陸(2016年 観測史上初)
北海道は台風の上陸は無い所なのですけど・・温暖化によると思われる異常気象からは逃れられないのでしょうか。
線状降水帯という新しい言葉も聞かれるようになりました。
平成30年の西日本豪雨、令和3年九州~中国地方の歴史的豪雨、北海道の比ではありません。
私たちは業者として、その洪水後の衛生状態の原状回復を考えなくてはなりません。 この頁で取り上げたいことは避けられない水害後の消毒についてです。
災害現場の感染症
水害 汚泥水
豪雨、台風よる洪水、冠水によって押し寄せる水は下水、し尿も混ざった不衛生な汚泥水です。よくテレビに膝上、腰までも水につかり歩いている人の映像が映し出されますが衛生上、良いことではありません。
感染症
レプトスピラ症避難所のような集団生活ではノロウイルス、インフルエンザ、食中毒などが発生しやすい状況にあります。テレビには映りませんが水が引いた後の状態はハエ、ウジが這い回る不衛生な場所になる場合もあります。
また、知らぬ間にネズミなどの動物と接触している場合も考えられます。それらの動物により汚染された水を飲む経口的感染、汚染された土壌から経皮的感染、手洗いができず接触感染、といくらでも感染症にかかる可能性があるのです。
公衆衛生が破壊されるというのはこのような環境汚染による感染経路となるはずです。レプトスピラ症は全数報告対象(4類感染症)となっています。
基本、消毒は保険所、自治体がしてくれるものではありません。
弊社の技術・強み・知見
column コロナ禍 ネズミの徘徊!
コロナ禍の社会の変化として報道も取り上げませんが、今までいなかったネズミが住宅街を徘徊しています。
今まで繁華街にいたネズミが飲食店の時短、休業により餌の確保が難しくなったことによります。 特に住宅地に近い老人福祉施設、学校は要注意!
2021年、2020TOKYOオリンピックの夏は北海道も記録ずくめの猛暑でした。札幌では連続真夏日の記録を更新し、小平町では38.7℃と、今年の道内最高気温を更新しました。 そのような温暖化の中、虫の少なさに少々、違和感を感じておりました。
特に気にするのは「蚊」です。雨の後で一気に孵化するのではと・・・蚊ほど人類を殺してきた生物は存在しません。 マラリア、フィラリア、デング熱、日本脳炎、西ナイル熱、ジカ熱などの媒介者です。
日本も熱帯・亜熱帯地域に広がる感染症が増えるのでしょうか・・
調理・食中毒に注意
災害時の調理はよく火を通すことと使い捨て手袋で素手で食材、食器などを触らないことが重要です。
作り置きのものは鍋の中でウェルシュ菌が増殖します。嫌気性で芽胞状態で耐熱ですので再加熱でも生存という厄介なものです。
例えばカレーを煮込んでいるとしますと煮込んでいるルーの中は酸素がありませんのでウェルシュ菌が最も好む条件です。加熱して自然に冷めて45℃くらいまで下がると一気に増殖します。再加熱でも死なないのは芽胞という殻が熱から身を守るからです。
カンピロバクターの増殖
肉料理、特に鳥に多く、調理したまな板、包丁を介して感染することがあります。熱に弱いのですが菌量が数百で感染、発症します。一般的に感染する場合の菌量は10万個以上と言われていますので感染力の強さが分かります。
機動力
汚泥、廃水処理の汚泥吸引車(バキュームカー)
汚泥吸引車 吸引能力報道でボランティアの協力で何とか床下、床上の汚泥を掻き出す映像を目にします。家財道具の処分、洗浄、大変な作業です。
特に汚泥を掻き出す作業は、土木作業そのものです。
初期の活動は重機なども入れない場合があるでしょうからどうしても人力、人海戦術に頼らざる得ないのかもしれません。
しかし、何と言っても劣悪な環境ですから身体への影響を考えると機械化が望まれます。
その大変な作業を機械で処理するのがこの写真の吸引車です(※ 写真は小型吸引車)
依頼内容
- 流しの配管が外れていて汚水が床下に溜まった
- 風呂の汚水漏れ
- トイレの汚水漏れ
- 動物臭、糞尿の汚染土壌を吸引除去
- 洪水などによる汚泥除去
- 屋外の灯油漏れなどの土壌吸引除去
下水に流してはいけない汚泥を吸引して、処理場まで運搬、廃棄処理致します。
料金については → 汚泥吸引料金 こちらを御覧下さい
水害現場の消毒(床下、地下など)
汚泥水を消毒することはお勧めしません。上に示したバキュームカーなどを使った排水と泥の除去が優先です。
乾燥と吸着
送風機による強制乾燥とある程度乾燥具合を確認した後は、固形吸着剤で湿気と悪臭の軽減を行う。
その後に建屋内の消毒です。以下は従来からある消毒方法です。
クレゾール石鹸、逆性石鹸、消石灰、次亜塩素酸ナトリウムの使い方 水害時の消毒方法 pdf
その他の殺菌法
加熱:蒸気法 / 殺菌灯:紫外線対流式
紫外線は目、皮膚に炎症を起こす場合があるので人がいる場所では点灯できません。
消毒剤も機器も業者でなければ扱えませんのご注意下さい!
洗浄作業
メニューバー清掃・洗浄に紹介した「Kクリーン」洗浄剤がこのようなときにも役立ちます。
この洗浄剤は有機物分解洗浄剤ですのである程度の殺菌効果が得られます。消毒剤の使用量を軽減できます。
ペット避難所の消毒
災害時には被災地の自治体が現地動物救護本部を立ち上げなければなりません。ペットの避難所を設けることも考えられております。
環境省から「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」が各自治体に通達
衛生状態の問題で起こる感染症にも注意を払わねばなりません。
環境省 ペットの災害対策(外部リンク) /
厚労省 動物由来感染症(外部リンク)
道内外の自治体防災担当者様からペット避難所、公共施設を使用した後の消毒・消臭についてのお問い合わせを多く頂いております。
弊社の技術・強み・知見
column 動物のコロナウィルス
動物コロナは特別なウィルスではありません。
- 豚流行性下痢ウィルス:2014年、日本の養豚場で流行。
- ネコ伝染性腹膜炎ウィルス:ネコ腸内ウィルスの変異で強毒となった。抗体の結合で更に感染力を増すADEを起こす。
- イヌコロナウィルス:嘔吐と下痢症状。※ネコ、イヌコロナウィルスが新型コロナに変異するようなことはありません。
- ニワトリ伝染性気管支炎ウィルス:コロナウィルスの中でも最も変異が頻繁に起こる。
- マウス肝炎ウィルス:感染力の高いウィルス。その他にもアヒル、ツグミ、ハリネズミ、ミンク、シロクジラなどがあります。
ペット輸入:現在、動物由来感染症への対策は狂犬病のみです。コロナ禍にあっては輸入動物の感染対策が急務だと思います。
弊社の技術・強み・知見
column 殺菌灯
新型コロナのパンデミックで様々な消毒機器、消毒剤などが販売されております。
ひとつ申し上げたいことがあります。新型コロナに殺菌灯(紫外線)は効果がありません。
ノロウィルスに対してもです。エンベロープが邪魔をするからです。
しかし、その他の細菌、ウィルスには効果のあることも分かっています。濡らすことが出来ないものなどの消毒には重宝されます。弊社でも使っています。